らんだむな記憶

blogというものを体験してみようか!的なー

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

テンソル積(3)

さて、無限次元ベクトル空間に思いを馳せてみよう。今度はM. Reed-B. Simonの「Method of modern mathematical physics - Functional Analysis」を参照しよう。一般のBanach空間においてはSchauder basis - Wikipedia, the free encyclopediaが考えられるが…

テンソル積(2)

テンソル積はとても苦手なのでもう少し見てみよう。今度は「ベクトル解析30講」を参照する。 $K= \R \ \text{or}\ \C$ として $K$ 上の有限次元ベクトル空間 $V,W$ をとってみよう。前回はただの $A$-加群を前提としたわけだが、一般に自由加群であるとは限…

飽きたらやめようGalois理論(22)とテンソル積(1)

テンソル積。昔からちょー苦手。実体を感じられない。あまりに抽象的でよく分からん。 $A$: 環。 $M,N$: $A$-加群とする。 $P$: $A$-加群, $f: M \times N \to P$: $A$-双線型写像というペア $(P,f)$ をどのようなものを選ぼうとも、裏から「$M $ と $N$ の…

飽きたらやめようGalois理論(21)―完全体

き、キターーー(゜∀゜)ーーーー!!!!!完全体。といっても、クリーチャー→ゴリラ→イケメンではないのだが...。 Def $K$ を標数 $p$ の体とする。 $K$ が完全であるとは、Frobenius写像 $F: K \to K;\ x \mapsto x^p$ が全射である時を言う。 例 0)標数0の体は…

飽きたらやめようGalois理論(20)―分離性の同値条件

$L/K$ を有限次拡大とする。 Def $[L:K]_{sep} := |\mathrm{Hom}_K(L,\bar{K})|$もし、 $L=K(\alpha)$ の場合には、 $[L:K]_{sep}$ は $\alpha$ の最小多項式の相異なる根の個数である。($\varphi \in \mathrm{Hom}_K(L,\bar{K})$ は $\alpha$ を別の根にう…

飽きたらやめようGalois理論(19)―分離的

先の命題の $Q$ に注目すると以下の性質があった。 $Q$ が既約で $(Q,Q^\prime) = 1$ ならば $Q$ は重根を持たない。つまり、 $Q$ の根はすべて異なり、splitting field の中で $\mathrm{deg}(Q)$ 個の値として得られる。 Def $P \in K[X]$ を既約多項式とす…

飽きたらやめようGalois理論(18)―被約多項式

$K$ を標数 $p$ の体とする。 $P \in K[X]$ を既約多項式とし、 $X^p$ についての多項式になっているとする。例えば、 $(X^p)^2 + 2(X^p) + 1$ など。 更に、一般に $X^{p^r}$ の形の多項式になっているとして、 $P(X) = Q(X^{p^r})$ とする。ここで $r$ と…

飽きたらやめようGalois理論(17)―有限体で遊ぶ

飽きたらやめようGalois理論(16)―有限体再考 - らんだむな記憶を考察しよう。 $p = 3,\ n = 2$ の場合を考える。 $\mathbb{F}_3 = \{0,1,2\}$ そしてその上の既約多項式として、 $X^2 + 1$ をとる。(飽きたらやめようGalois理論(12)―有限体を考える - らんだ…

飽きたらやめようGalois理論(16)―有限体再考

代数学はもぅマヂ無理ってくらい難しいな。 Theorem $K$: 体, $G$: $K^\times$ の有限部分群。この時、 $G$ は巡回群になる${}_\square$「体とガロア理論」第2章定理2.27や「代数概論」第V章命題6.1として載っている。 Cor1 $K \supset \mathbb{F}_p, \ [K : …

飽きたらやめようGalois理論(15)―Eisensteinの既約判定法再考

飽きたらやめようGalois理論(3)―Eisensteinの既約判定法 - らんだむな記憶でえいやとしていた部分について。 $\mathbb{F}_p[X]$ で $\bar{a}_n X^n = \bar{Q}(X)\bar{R}(X)$の時の議論。 $\mathbb{F}_p[X]$ で $\bar{Q}(X) = \bar{b}_k X^k + \cdots + \bar{…

非可換幾何とGelfand duality(3)

非可換幾何とGelfand duality(2) - らんだむな記憶とか圏論(35)と続 opposite category - らんだむな記憶で触れたGelfand-Naimark Theoremの圏論的解釈。Mac Lane本には載っていないのかなと思ったが、索引にはないだけでとあるページ内にしゅっと記載されて…

Galois理論の本(2)

Galois理論の本 - らんだむな記憶で触れた明解ガロア理論 原著第3版 (KS理工学専門書)は結局原著のtypoはどうなっているのだろうか調べてみた。 George M. Bergman -- undergraduate course materialsのerrataのすべてではないがかなり修正されている。errat…

ファインマン物理学

The Feynman Lectures on Physicsなんといまではネットでフリーで読めるというのか...。物理学は代数学や幾何学を遥かに超越する適性のなさなのでどうにもならない。しっかし英語で見るとぞぞっとする感じだな...。

PARI/GP

PARI/GP Development Headquartersなんか便利そう。しかも速い。 PARI/GP Development Headquartersブラウザからも使えちゃう。pythonからも使えるんかなと思ったら cypari 1.2.2 : Python Package Index Google Code Archive - Long-term storage for Googl…

飽きたらやめようGalois理論(14)―根は区別できるか?

かくして、 $\mathbb{F}_5[X]$ の既約多項式 $X^2 + 2$ の根 $\sqrt{3}$ は $\mathbb{F}_5[X]$ の代数的閉包 $\bar{\mathbb{F}}_5$ からとってくることができる。相変わらず標数は5なので、$\mathbb{F}_5[X]$ も $\bar{\mathbb{F}}_5$ も $\Q$ の部分体には…

飽きたらやめようGalois理論(13)―根体再考

根体再考。 $\mathbb{F}_5[X]$ の既約多項式 $X^2 + 2$ の根 $\sqrt{3}$ はどっからとってくるんだ?と。 $K \subset L$ で別の安全な体に包まれている場合は、しれっと $L$ からとってくる!と言えば良い。なので、 $\R$ とか $\Q$ で遊ぶ分には $\C$ から…

飽きたらやめようGalois理論(12)―有限体を考える

抜群に胡散臭い。 「$\mathbb{F}_{p^n}$ は任意の $n$ 次既約多項式 $P \in \mathbb{F}_p[X]$ の stem field かつ splitting field である。」なんて本当か? という感じになるのが代数学の嫌いなところではある。ごく一般に扱う体は $\R$ や $\C$ といった…

飽きたらやめようGalois理論(11)―有限体続き

有限体続き。 Theorem $\mathbb{F}_{p^n}$ は任意の $n$ 次既約多項式 $P \in \mathbb{F}_p[X]$ の stem field かつ splitting field である。 proof $P(\alpha) = 0$ なる $\alpha$ を1つとって $\mathbb{F}_p[\alpha] (\subset \bar{\mathbb{F}}_p)$ を考…

飽きたらやめようGalois理論(10)―有限体

有限体。 元の個数が有限である体 $K$ 。ということは、 $1+1+\cdots$ はいつか 0 になる。つまり、 $p\cdot 1 = 0$ で、 $p$ は適当な素数。よって標数 $p$ の体。その素体には $\mathbb{F}_p = \Z/(p)$ を持つという。$K$ を $\mathbb{F}_p$ の有限次拡大…

Galois理論の本

Galois Theory, Fourth Editionが結構よろしいようなことを書いているページがあるが、3rd editionはなかなかエキサイティングなようだ。1error/pageな勢いのようで...。 George M. Bergman -- undergraduate course materialsの途中で Corrections and Clar…

Last but not least

last but not leastの意味 - 英和辞典 Weblio辞書 「大事なことをひとつ言い残したが」ということらしい。last but not leastはどういう意味ですか?文法的にもよくわか... - Yahoo!知恵袋 のベストアンサーがしっくりくるかな。not leastって何だ?って思っ…

飽きたらやめようGalois理論(9)―代数的閉包を考える

代数閉体に思いを馳せたい。素数 $p$ に対し、 $\mathbb{F}_p$ のように標数 $p$ の体が存在する。 さて、任意の体はZornの補題を使うことで代数的閉包を持つことが示せる。体 $K$ の代数的閉包を $\bar{K}$ と書こう。 $\bar{K}$ の標数は何であろうか? こ…

飽きたらやめようGalois理論(8)―stem fieldの一意性

stem fields間の準同型写像について考える。 体 $K$ 上の $d$ 次の既約多項式 $P$ が根 $\alpha,\beta$ を持つとして、 $\beta \not\in K[\alpha]$ と仮定する。 $K$-準同型写像 $\varphi:K[\alpha] \to K[\beta]$ としてはどういうものが考えられるか?まず…

飽きたらやめようGalois理論(7)―分解体の拡大次数を考える

「代数概論」第V章 例2.11より。 $K = \Q,\ f(X) = X^3 - 5$ についての分解体。Eisensteinの既約判定法を $p=5$ に対して使うと $f$ は $\Z[X]$ で既約、従ってGaussの補題より $\Q[X]$ で既約であることが分かる。 根は $\omega = \frac{-1 + \sqrt{-3}}{2…

飽きたらやめようGalois理論(6)―単拡大で遊ぶ

円周率×無理数×超越数 - らんだむな記憶で触れたようにTaylor展開を用いて $\pi$ が超越数であることを示すことができる。 というわけで、 $\Q$ の単拡大 $\Q(\sqrt{-1})$ と $\Q(\pi)$ は良いサンプルであるように思う。 $\Q[X]/(X^2 + 1) \simeq \Q(\sqrt{…

飽きたらやめようGalois理論(5)―Gaussの補題で遊ぶ

Gaussの補題 $P \in \Z[X]$ をとる。 この時、$P$ は $\Z[X]$ で既約 $\Rightarrow$ $P$ は $\Q[X]$ でも既約 証明 対偶をとって、$P$ は $\Q[X]$ で可約 $\Rightarrow$ $P$ は $\Z[X]$ で可約を示す。 $P = Q R,\ Q,R \in \Q[X]$ とする。$Q$ の係数の分母…

飽きたらやめようGalois理論(4)―根体と分解体

stem field... 手持ちの本で言うと「根体」か? 定義 $P \in K[X]$ を既約とする。この時、$K$ の拡大 $E$ が $P$ についての stem field であるとは、 \begin{equation} \exists \alpha \in E \ \text{s.t.}\ P(\alpha) = 0 \quad\text{and}\quad E = K[\al…

飽きたらやめようGalois理論(3)―Eisensteinの既約判定法

Eisensteinの既約判定法、懐かしい。とか書きつつも常にステートメントは忘れる...。●具体例 $X^{100} - 2$の$\Z[X]$での既約性: 可約とすると、$X^{100} -2 = Q(X)R(X)$と書ける。2を法とする、つまり、$\mathbb{F}_2[X]$で考えると、$X^{100} = \bar{Q}(X)…

飽きたらやめようGalois理論(2)―単拡大

・$K \subset L$を体とする時、$\alpha \in L\backslash K$に対して以下は同値。 (1)$\alpha$は$K$上代数的。 (2)$K[\alpha]$は有限次元$K$-ベクトル空間。 (3)$K[\alpha] = K(\alpha)$というのも案外ピンとくるようなこないような。まぁ、そうだねぇと思え…

飽きたらやめようGalois理論(1)―体と既約多項式

・$L$を体として、ある自然数$m $について$m1 = 0$とする。このような$m $のうち最小のものは素数である。素数でないとすると、$m=ab,\ 0 自然数は素数である。それを$p$とする。 $p\Z$は$\Z$の極大イデアルであるので、$\Z/(p)$は体となる。$\mathbb{F}_p :…