らんだむな記憶

blogというものを体験してみようか!的なー

飽きたらやめようGalois理論(6)―単拡大で遊ぶ

円周率×無理数×超越数 - らんだむな記憶で触れたようにTaylor展開を用いて $\pi$ が超越数であることを示すことができる。
というわけで、 $\Q$ の単拡大 $\Q(\sqrt{-1})$ と $\Q(\pi)$ は良いサンプルであるように思う。
$\Q[X]/(X^2 + 1) \simeq \Q(\sqrt{-1}) = \Q[\sqrt{-1}]$ であり、 $\Q(X) \simeq \Q(\pi)$ である。実際に集合を内包的記法で書き下すとなるほどなという気分になる。
前者は $\{aX + b\;\ a,b \in \Q\}$ と $\{a\sqrt{-1} + b;\ a,b \in \Q\}$ であり、後者は $\{g(X)/f(X);\ f,g \in \Q[X], f \neq 0\}$ と $\{g(\pi)/f(\pi);\ f,g \in \Q[X], f \neq 0\}$ である。


$\Q[X]$ の既約多項式 $X^2 + 1$ の根 $\sqrt{-1}$ を $\Q$ に加えたものが $\Q[\sqrt{-1}]$ であるということを理解するのと同程度の意識で、 $\Q[X]$ の既約多項式 $f(X)$ の根 $\alpha$ を $\Q$ に加えたものが $\Q[\alpha]$ であることを納得したいものだ。