らんだむな記憶

blogというものを体験してみようか!的なー

飽きたらやめようGalois理論(10)―有限体

有限体。
元の個数が有限である体 $K$ 。ということは、 $1+1+\cdots$ はいつか 0 になる。つまり、 $p\cdot 1 = 0$ で、 $p$ は適当な素数。よって標数 $p$ の体。その素体には $\mathbb{F}_p = \Z/(p)$ を持つという。

$K$ を $\mathbb{F}_p$ の有限次拡大とする。 $n = [K:\mathbb{F}_p]$ とすると、適当な $\omega_1,\cdots,\omega_n \in K$ をとることで、これが $K$ の $\mathbb{F}_p$ 上のベクトル空間としての基底になり、任意の $x \in K$ は $x = \sum_{j=1}^{n}a_j \omega_j,\ a_j \in \mathbb{F}_p$ と表すことができる。
$|\mathbb{F}_p| = |\{0,1,\cdots,p-1\}| = p$ であるので、$a_j$ がこれらの元を動くことを考えると、$|K| = p\times p \times \cdots \times p = p^n$ となる。

Frobenius写像

$K$ を標数 $p$ の体とする。
$F_p: K \to K;\ x \mapsto x^p$ は準同型写像である。
$F_{p^n}: K \to K;\ x \mapsto x^{p^n}$ も準同型写像である。(こちらは $p^n$ 乗Frobenius写像)

Theorem

$\mathbb{F}_p \subset \bar{\mathbb{F}}_p$ を固定する。
$X^{p^n} - X$ の splitting field は $p^n$ 個の元を持つ。
逆に $p^n$ 個の元を持つ体は $X^{p^n} - X$ の splitting field である。
更に、$p^n$ 個の元を持つような $\bar{\mathbb{F}}_p$ のただ1つの部分拡大が存在する${}_\square$

$n = [K:\mathbb{F}_p]$ である体 $K$ を考えると、 $|K| = p^n$ であったので、定理よりこれは $\bar{\mathbb{F}}_p$ のただ1つの部分拡大として存在することになる。
記号として $K = \mathbb{F}_{p^n}$ と書くようだ。

Remark

$Q_n := X^{p^n} - X$ とする時、$\mathbb{F}_{p^n}$ は $Q_n$ の splitting field である${}_\square$

これは上記のTheoremの言い換えである。 $Q_n$ は重根を持たないので、 $p^n$ 個の相異なる根を持ち、このため $\mathbb{F}_{p^n} = \{\text{roots of}\ Q_n\}$ となる。