らんだむな記憶

blogというものを体験してみようか!的なー

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

Qiskit (60) —VQE

サンプルコードを見ていく。内容は単純で、 ランダムな $\theta$, $\phi$, $\lambda$ で初期化されたユニバーサルゲート $U3(\theta, \phi, \lambda)$ だけからなる variational form について、 $U3(\theta, \phi, \lambda) \ket{0} = \alpha \ket{0} + \be…

書籍代補助

最近よく福利厚生の 1 つとして見る「書籍代補助」だか、これは所得なのか?という悩ましい問題。書籍代、セミナー受講費用、資格取得費用の支給について - 『日本の人事部』 を見ると、業務に直接必要な研修などは非課税だけど、自己啓発に相当するものだと…

Qiskit (59) —VQE

ここからは IBM Quantumで学ぶ量子コンピュータ - 秀和システム あなたの学びをサポート! とは無関係に、Qiskit textbook やチュートリアルからトピックを拾って知識を深めてみたい。Qiskit (52) —パラメータ付き量子回路 - らんだむな記憶 の続きというわ…

On the Eigenfunctions of Many-particle Systems in Quantum Mechanics

T. Kato の論文。何故か Amazon で見つかるので不思議だなと思ったら Search: On the Eigenfunctions of Many-particle Systems in Quantum Mechanics という感じで古い論文とかを主ぱんしている出版社があるらしい。 Forgotten Books is a London-based boo…

量子コンピュータ関連メモ

TKET ワークショップ Explore Quantum Hardware for Free with Azure Quantum - Q# Blog Whether you already use Azure Quantum, or are trying it for the first time, you can now enjoy $500 in credits to experiment with each of our participating q…

Qiskit (58) —量子機械学習

textbook のコードを眺めて大変興味深く感じた。・・・が、正直、古典ニューラルネット部で畳み込み層を用いて画像の特徴量を抽出している状態で、量子回路層が担っている意味合いは少し分かりにくい。本質的には classifier 部の実装になっている。 が、そ…

Qiskit (57) —量子機械学習

書籍付属コードの追跡を断念することにしたので、代わりに textbook の Hybrid quantum-classical Neural Networks with PyTorch and Qiskit を見ていく。最初のほうの話は既知なので、2. So How Does Quantum Enter the Picture? の冒頭から眺める。入力 $x…

パラメータシフト則

ここで [1803.00745] Quantum Circuit Learning の E. Optimization procedure に従って、パラメータシフト則を見ておきたい。演算子のパラメータ付き期待値の偏微分が、そのパラメータをシフトした時の期待値から導出されるという法則である。ここでは簡単…

Qiskit (56) —量子機械学習

ついでに量子回路によるレイヤでの順伝播と逆伝播でどれくらいの時間を消費するのか見てみたい。textbook のコードに対しては以下のような改造で良いはず・・・だ: class HybridFunction(Function): @staticmethod def forward(ctx, input, quantum_circuit,…

Qiskit (55) —量子機械学習

Hybrid quantum-classical Neural Networks with PyTorch and Qiskit これを実行してみる。書籍の付属コードと同様に UserWarning: Creating a tensor from a list of numpy.ndarrays is extremely slow. Please consider converting the list to a single n…

Qiskit (54) —量子機械学習

とりあえず書籍の付属コードを実行してみたが・・・n1-highmem-4 なのにめちゃめちゃ遅い・・・。n1-highmem-4 の最新版として e2-highmem-4 というのがあった。preemptible だと旧版のほうが少しだけ安そう。それ以前にMachine families | Compute Engine D…

Jupyter の SSL 化

Jupyter ノートブックサーバーの起動 - Deep Learning AMI 気持ちの問題で openssl req -x509 -nodes -days 365 -newkey rsa:2048 -keyout mykey.key -out mycert.pem をしてみることに。起動時の指定は面倒くさいので、AWSにjupyter notebookを構築してリモ…

Qiskit (53) —量子断熱計算と QAOA / イジング模型と QUBO

量子断熱計算。textbook で一番近そうなのは Solving combinatorial optimization problems using QAOA と思われる。 ネタ的には量子アニーリングっぽいけど、ゲート方式での説明になっているから、量子アニーリングの基礎 / 須藤 彰三 岡 真 監修 西森 秀稔…

Qiskit (52) —パラメータ付き量子回路

アルゴリズムの概観を完了し、パラメータ付き量子回路に突入。 ここまでは $\ket{\Psi} = H^{\otimes n} \ket{0}^{\otimes n}$ などのように特定の量子状態に変化させていたが、これが何かしらのパラメータ $\theta$ に合わせて回路が変わり $\ket{0}^{\otim…

Qiskit (51) —量子数値積分

副読本を読み進めると、 モンテカルロ法では, 式 (2) の $p(x)$ を確率密度関数とみなすことで, 式 (2) を統計的期待値と見なして計算を行う. というのが出てくる。なるほど・・・表面的にモンテカルロ法を検索した時には関係なさそうと思ったけど、やはりモ…

Qiskit (50) —量子数値積分

量子数値積分に突入。textbook には見当たらないネタのように見える。多少検索すると論文として [2004.05739] Practical numerical integration on NISQ devices が見つかるが、これはピッタリとは当てはまらない。書籍の参考文献にある 量子コンピュータを…

Qiskit (49) —量子振幅推定

量子振幅推定について見ていく。$\Omega = \mathcal{A} \ket{0}$ は、$$ \begin{align*} \ket{\Omega} = C^{\prime\prime} \ket{\omega^\perp} + \braket{\omega|\Omega} \ket{\omega} \end{align*} $$と書けるのであった。ここで $C^{\prime\prime} = \sqrt…

Qiskit (48) —量子振幅増幅

量子振幅増幅の内容を読み進める。書籍のこの項目で注意するべき箇所は一点のみで、それは $\ket{\omega^\perp}$ の意味である。「変数はグローバーのアルゴリズムと同じものを使う」とあるが、これは正確ではなくて、「同じ考え方で作ったものを使う」とい…

Qiskit (47) —量子振幅増幅

量子振幅増幅に入る前にグローバーのアルゴリズムでの操作を少し振り返ってみる。 $U_f \ket{s} = \ket{s} - \frac{2}{\sqrt{2^n}} \ket{\omega}$ であった。また、$$ \begin{align*} \ket{\omega^\perp} = C (\ket{s} - \frac{1}{\sqrt{2^n}} \ket{\omega})…

Qiskit (46) —グローバーのアルゴリズム

一応 textbook の Grover's Algorithm も確認をしておく。> Circuit Construction of a Grover Oracleを開くとごちゃごちゃ書いてあるが、Deutsch-Jozsa アルゴリズムを思い出して、オラクルの問い合わせゲート $U_f$ として $\ket{x}\ket{y} \xrightarrow{U…

Qiskit (45) —グローバーのアルゴリズム

書籍 p.162 図4-12 をもう少し丁寧に追いかけたい。$\ket{\omega}$ も $\ket{s}$ も $(\R^2)^{\otimes n}$ のベクトルと見ることができるので、図をこの 2 つが張る 2 次元実ベクトル空間の中の回転と考える。よって、$\ket{\omega^\perp}$ は $\ket{s} + \a…

Qiskit (44) —グローバーのアルゴリズム

一番ピンと来なかった数式の変形がすっきりしたので先へ進もう。次に書籍 p.162 図4-12 の説明を理解したい。まず、周辺で語られている話をまとめると、$$ \begin{align*} \ket{s} = H^{\otimes n } \ket{0}^{\otimes n } = \frac{1}{\sqrt{2^n}} \sum_{x=0}…

Qiskit (43) —グローバーのアルゴリズム

まず最初に $C^{n-1}Z$ ゲートの意味について確認する。Toffoli ゲートを $CCX$ ゲートとも書いた。これと同様に $n-1$ 個の制御ビットが $\ket{1}$ の時に対象ビットに $Z$ ゲートが作用するものとする。つまり、$\ket{1}^{\otimes n}$ の時だけ値が変化し…

Qiskit (42) —グローバーのアルゴリズム

グローバーのアルゴリズムを見る。書籍と textbook では少し進み方が違う気もするが、ここでは書籍をそのまま辿ってみる。オラクルの部分については Bernstein-Vazirani のアルゴリズムのケースを思い出してみる。オラクルを含む量子ゲート $U_f$ を$$ \begi…

Qiskit (41) ― HHL アルゴリズム

最後に測定を行う。補助量子ビットを計測して $\ket{1}$ が観測されたケースに注目する($\frac{1}{\lambda_j^\prime}$ を使いたいのでこちらに注目する)。この時($\ket{0} \otimes \ket{0}^{\otimes n} \otimes \ket{b}$ に $QPE^{-1} U_f^\prime QPE$ を…

Qiskit (40) ― HHL アルゴリズム

十分に準備をしたので、HHL アルゴリズムを再開する。Qiskit (39) ― HHL アルゴリズム - らんだむな記憶 のおさらいとして、ある $2^n \lambda_j^\prime \in \Z$ がとれて、$2^n \lambda_j^\prime$ の $n$-bit バイナリ表現を ket の中に入れた状態 $|\lambd…

回路の等価性

More Circuit Identities ぼんやり眺めるとこれは要するに X ゲートとユニタリ同値なゲートを制御ゲート化する時には CX ゲートをユニタリゲートで囲めば良いという話だということが分かる。つまり、あるユニタリゲート $U$ があるとして、これが $X$ ゲート…

非クローン化定理

ニールセン&チャン III p.245 コラム 12.1 の非クローン化定理を見てみよう。内容をざっと見るとなるほどという気持ちになるが、一方で、量子テレポーテーションを含めてなんとなく情報がコピーされているように感じてしまう部分もある。この「非クローン化…

逆演算 (2)

逆演算 (1) - らんだむな記憶 の続きとして、textbook で扱われているサンプルについて眺める。textbook そのままであるが、一部気になったので補足を追加する。 from qiskit import QuantumCircuit, QuantumRegister, ClassicalRegister from qiskit import…

逆演算 (1)

ここで、先に進む前に書籍の中でしれっと登場する “逆演算” (uncomputation) について調べておきたい。量子コンピューティング 基本アルゴリズムから量子機械学習まで | Ohmsha では、p.39 で「補助量子ビットと逆演算」として説明がされている。但しあまり…