らんだむな記憶

blogというものを体験してみようか!的なー

math-probability

t分布への道 (7)

$X_1, \cdots, X_n \sim N(\mu,\sigma^2)$ i.i.d. とする。この時 $Y = \frac{(n-1)s^2}{\sigma^2}$ が $Y \sim \chi_{n-1}^2$ であることを確認することが最後の課題であった。ところで、 $Y$ は \begin{align} Y = \sum_{k=1}^n \frac{(X_k - \bar{X})^2}{…

t分布への道 (6)

大分終盤であるので、ここで [1] p.201, [2] p.114 を眺める。標本平均の分布を考えるにあたって母分散が未知の場合に t 分布が登場する。$X_1, \cdots, X_n \sim N(\mu,\sigma^2)$ i.i.d. とする。この時、統計量 $\frac{\bar{X} -\mu}{\sigma/\sqrt{n}}$ …

t分布への道 (5)

次に確率変数の和に関連して分布の再生性について扱う。[3] p.73 の命題 4.20 を利用することになる。 $X,Y$ を独立な確率変数とする時 $Z = X+Y$ とおくと \begin{align} E[\exp(it Z)] = E[\exp(it (X+Y))] = E[\exp(it X)] E[\exp(it Y)] \end{align}とな…

t分布への道 (4)

不偏分散 $s^2$ が従う確率分布はカイ 2 乗分布になるので、それを見るための準備をする。このために [3] p.45 の命題 3.15 を利用する。確率変数 $Z$ が標準正規分布 $N(0,1)$ に従う時 $Z^2$ が自由度 1 のカイ 2 乗分布 $\chi_1^2$ に従うという主張であ…

t分布への道 (3)

t 分布が典型的にどこで出てくるかと言うと、[1] p.201 にあるようにある母集団から標本を抽出した場合に、母分散が未知の場合に標本平均の標本分布を扱おうとする場合に出てくる。母分散が不明なので、標本分散としての不偏分散 \begin{align} s^2 = \frac{…

t分布への道 (2)

どんどんと準備を進める。とりあえず [4] pp.10-14 あたりと [3] pp.14-15, pp.61-62 あたりを参考に確率変数の独立性を導入する。[5] も適宜参照する。 確率空間 $\Omega$ が集合、$\F$ を $\Omega$ の部分集合からなる $\sigma$ 加法族、$P$ を $\F$ 上の…

t分布への道 (1)

結局 t 分布とは何なのかを気の赴くままに追いかけてみたい。大体共通して出てくるであろうツールとしては「正規分布に独立に従う確率変数の和は再び正規分布に従う」といったもののように思われる。その前に [1] p.162, [4] p.47 を参考に独立同分布な確率…

2つのデルタ函数

確率測度のFourier変換 - らんだむな記憶の続き。 前回の最後で \begin{align} \mu(a, b) \approx \frac{1}{2\pi} \int_a^b d\lambda \int_{\R^1} \mu (dx) \int_{\R^1} \exp(i \xi (x-\lambda)) d\xi \quad\quad\quad\quad\quad\quad\quad (1) \end{align}…

確率測度のFourier変換

確率測度の “Fourier 変換” を特性函数と呼ぶ。([1] p.87, [2] p.38, [3] p.21) 特性函数 簡単のため、 $\R^1$ のケースのみ考える。確率空間 $(\R^1, \mathcal{B}(\R^1), \mu)$ を考える時、 \begin{align} \varphi(\xi) = \int_{\R^1} \exp(i \xi x) \mu (…

3囚人問題

モンティ・ホール問題とほぼ同様の問題に3囚人問題 - Wikipediaがある。(手持ちの版の確率論 (新しい解析学の流れ)では「囚人のジレンマ - Wikipedia」となっているが、これはゲーム理論の問題のようだ) モンティ・ホール問題 - らんだむな記憶で、左から囚…

2人の子供

確率論 (新しい解析学の流れ)には他の面白い題材がある。「子供が二人いる家庭を訪ねたところ、男の子がいることが分かった。その時もう一人の子供の男の子である確率はいくらか?」というのだ。 確率空間を { 男男, 男女, 女男, 女女 } とすると、 (1)とに…

モンティ・ホール問題

モンティ・ホール問題 - Wikipediaは有名すぎるらしい。 ○で当たりを示すものとし、●で司会者が開けるドアとする。司会者は2つのドアのどちらを開けても良いケースでは適当に開けるとする。回答者は左端のドアを選んでいるとする。 この状態を18パターン書い…

正規分布の再生性

大数の法則と中心極限定理(2) - らんだむな記憶から。 $X_j$を独立同分布の確率変数とする。$X_1$の期待値を$\mu$とし分散を$\sigma^2$とする。 $S_n = \sum_{j=1}^n X_j$とおくと、以下が成立する。 $$P \left(a \le \frac{S_n - n\mu}{\sqrt{\sigma^2 n}} …

大数の法則と中心極限定理(2)

一方の中心極限定理は、Microsoftが新人に読ませるだとかかんとか書かれているところのいかにして問題をとくか | G. ポリア, 柿内 賢信 | 本 | Amazon.co.jpの著者G. Polya氏の命名であるそうだ。この分野の中心的な極限定理だから、ということ、らしい。「…

大数の法則と中心極限定理

ぼんやり統計学の勉強もどきをすると間違いなく大数の法則と中心極限定理に遭遇する。 確率論 - らんだむな記憶で大数の法則についてメモをしたのを思い出した。 統計学の教科書的な記法を用いると、標本平均$\overline{X} := \frac{S_n}{n} = \frac{1}{n} \…

もっと確率論

そんな地獄に気付いた時から、不安な気持ちがつきまとうようになった。 「これどういう意味?」「無限次元の測度!?」「でも、サイコロのナニを説明するような簡単な定理のはずだよね?」「てか、超基本じゃないか」「この後には中心極限定理とかあるんだろ…

確率論

確率論は重要だ。色んな応用がある。機械学習的なナニも基本となる数理は確率・統計だ。そんな確率論だが、なに、あれは測度論だ。Lebesgue積分のような測度論は大学の2回生くらいで習うから、ある意味細かいことは抜きにして、確率論はそんなに難しいものじ…