らんだむな記憶

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Galois理論の本(2)

Galois理論の本 - らんだむな記憶で触れた明解ガロア理論 原著第3版 (KS理工学専門書)は結局原著のtypoはどうなっているのだろうか調べてみた。
George M. Bergman -- undergraduate course materialsのerrataのすべてではないがかなり修正されている。errataと同等の式だが異なる表現のこともあるので、どうも独自にチェックしながら和訳したのではないかと思う。
ユークリッドの互除法 - Wikipediaにもあるように、ユークリッドの互除法は300BC頃のものらしいのだが、アルゴリズム3.6直前の記述が原著と同様に600BCのままになっている。errataの最終更新日は2005年で和訳書の出版が2008年であることから、もし参考にしているならこれもすべて修正されていると思われるがそうなっていない。
ということで、どれくらいの原著のtypoが解消されているかは分からないがerrataをランダムにピックアップしてチェックした感じでは2/3以上は修正されていそうには思う。なお、errataには原著で不足している証明の追加や補助定理の追加記述が掲載されており、これは和訳版には存在しないのでなかなか貴重に思う。
一方和訳版には独自に演習問題の略解が追加されているので独習するにはなかなか良さそうだ。
明解ガロア理論+errata でほぼ完璧ではないかと思うが、これと3rd editionのtypoがたぶん大方修正されて、更に話題が拡張されている2015年刊行の原著 4th edition、どちらもなかなか甲乙つけがたい。(というほど中身を吟味したわけでもないが)