J. J. Sakurai の本の 3rd edition が去年出版されていた。長く続いているなぁ。そこそこのページ数がプレビューできるのが良い。
よく $\ket{\psi}\bra{\phi}$ といった（射影）演算子が登場するが、これは数学のコンテキストで書くとブラケット表記を内積と考えて $\braket{\phi | \cdot} \ket{\psi}$ のような線型演算子の記述になるだろう。そういう捉え方をしやすくするためにもやはり序盤からヒルベルト空間とブラケット記法を導入するのは効率が良さそうに感じる。
\begin{align*}
\sum_{a^\prime} \ket{a^\prime}\bra{a^\prime} = 1
\end{align*}
のような記述も、ヒルベルト空間の任意の元 $u$ に対して
\begin{align*}
\sum_{a^\prime} \braket{a^\prime | u}\ket{a^\prime} = u
\end{align*}
と書くと一般化された “フーリエ級数展開” であることがわかる。
