らんだむな記憶

blogというものを体験してみようか!的なー

どっかにメモったっけ?

Lemma

$R$: 環。 $M $: $R$-自由加群とし、その基底の濃度を有限とする。この時、$\varphi \in \mathrm{Hom}_R(M,M)$ は単射であれば全射となり、従って(自己)同型写像になる。

proof

$\{e_j\}_{1 \leq j \leq n}$ を $M $ の基底とする。 $\{ \varphi(e_j) \}_{1 \leq j \leq n}$ も基底であることを見る。
$0 = \sum_{j=1}^n a_j \varphi(e_j) = \varphi(\sum_{j=1}^n a_j e_j)$ と置くと、単射性より $\sum_{j=1}^n a_j e_j = 0$ であり、$\{e_j\}$ が基底であることから $a_j = 0,\ \forall j$ となる。基底の濃度は一定なので、 $\varphi(e_j)$ も基底であることが分かった。
$y \in M $ をとると、 $y = \sum_{j=1}^n b_j \varphi(e_j)$ と書けるが、 $y = \varphi(\sum_{j=1}^n b_j e_j)$ と書き直すと、 $x = \sum_{j=1}^n b_j e_j \in M $ に対して $y = \varphi(x)$ となることが分かる${}_\blacksquare$

$K$: 体。 $A$: 有限 $K$-代数 (i.e. $K$-ベクトル空間としては有限次元な $K$-代数) とする。
この時、 $A$ が整域なら $A$ は体である。

$0 \neq a \in A$ をとり、
\begin{align}
\varphi_a: A &\to A \\
x &\mapsto ax
\end{align}

とおく。$\varphi_a(x) = 0$ とすると、 $ax = 0$ であるが、 $A$ は整域であるので、 $x = 0$ である。よって $\varphi_a$ は単射である。一方、補題より $\varphi_a$ は全射でもあり、ただ1つの $b \in A$ がとれて $\varphi_a(b) = 1$ とできる。つまり、 $ab = 1$ である${}_\blacksquare$