らんだむな記憶

blogというものを体験してみようか!的なー

非可換幾何とGelfand duality

Amazon | Basic Noncommutative Geometry (Ems Series of Lectures in Mathematics) | Khalkhali, Masoud | Geometry & Topologyより。

Category Theoryの動機:

――――
函数解析における有名なGelfand-Naimarkの定理によると、局所コンパクトHausdorff空間とproperな連続写像のなすcategoryと可換 $C^*$ -代数と proper な $C^*$ -準同型写像のなすopposite category (逆圏・反対圏) とは同等である:
\begin{equation}
\fbox{ {局所コンパクトHausdorff空間} $\simeq$ {可換 $C^*$ -代数}$^\mathrm{op}$ } \hspace{1em} (1.1)
\end{equation}

この対応付けのもとコンパクトHausdorff空間と連続写像のなすcategoryと単位的可換 $C^*$ -代数と単位的 $C^*$ -準同型写像のなすopposite categoryが対応する:
\begin{equation}
\fbox{ {コンパクトHausdorff空間} $\simeq$ {単位的可換 $C^*$ -代数}$^\mathrm{op}$ } \hspace{1em} (1.2)
\end{equation}

――――

という部分に興味がある。次回、絵を描いて逆圏のイメージをつかんでみたい。

また、$C^*$ -代数の面白味として以下のような性質に触れられている。

$A, B$ を $C^*$ -代数とする時、$f: A \to B$ を $C^*$ -準同型とすると、$f$ は縮小写像 i.e. $\|f(a)\|_B \le \|a\|_A,\ a \in A$ であるというのだ。これは、C*-代数と*-準同型 - らんだむな記憶で触れた、Theorem 2.1.7. が該当する。或は本書の Appendix A 中にもさらーっと書いてある。あまり、「定理」「証明」「定理」「証明」のスタイルの本ではなくて、解説しながら証明(説明)していくスタイルなので、項番などはふれらていないが。
この $C^*$ -準同型の縮小性により、$C^*$ -代数のノルムは唯1つに定まる。$A$ に別のノルム $|||\cdot |||$があるとして、$C^*$ - 代数 $(A,\, \|\cdot\|)$ から $C^*$ - 代数 $(A,\, |||\cdot |||)$ への $C^*$ -準同型として恒等写像をとると、その縮小性により、$||| a ||| \le \|a\|,\ a \in A$ が従い、その逆もしかりなので、ノルムが一致する。
縮小性から自動的に従う準同型写像の連続性とノルムの唯一性は $C^*$ -代数の `rigidity' の例としてあげられている。
なかなか面白い。