らんだむな記憶

blogというものを体験してみようか!的なー

シンプレクティック積分法

微分方程式の講座を進めると、Symplectic method (Symplectic integrator; シンプレクティック積分法) なるものが出てきた。シンプレクティックと聞くと、シンプレクティック幾何学とかシンプレクティック多様体とか、なんか難しそうなイメージしかわかない。
シンプレクティック幾何学 | 深谷 賢治 | 本 | Amazon.co.jpのようなとても難しく感じられる本とかのせいかもしれない。
ともかく解析力学の奥義のような気持になってしまう単語だ。魚の頭蓋骨の中の骨のような気持になるかもしれないが、complexのギリシャ語の表現から来るようだ。ggると sym-plektikos (συμπλεκτικός) というギリシャ語らしい。
H.Weylによる言葉らしい。しかし、Symplectic geometryをComplex geometryとしてしまうと、複素幾何学になってしまい何だか違うような気になる。
シンプレクティックなお話や解析力学の数学的なお話は下記の有名な古典があるが、これはこれでとても簡単とは思えない(本文中のイラストにはコミカルなものもあるが)ので、やはりなかなかハードルが高い。
古典力学の数学的方法 | V.I.アーノルド, 安藤 韶一, 蟹江 幸博, 丹羽 敏雄 | 本 | Amazon.co.jp

正直そんなことはどうでも良いが、Euler法で計算した楕円軌道は
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だが、これをSymplectic法で計算すると
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となるというのが不思議なもんだ。

解析力学の意味でのLiouvilleの定理に従うような感じでプロシージャが進んで、相空間の中で領域の面積を保ったまま変形が進むのかな。エネルギーのところが跳ねたりするのは気になるが非常に対称性の高い動きになるようで、僅かな実装の違いで随分結果が変わるもんだと思う。

逆に言えば本当にtypoでバグが混入するとえっらい数値実験の結果が影響受けるってことだな...。

どっちにせよ理論上は相空間の中で閉じた軌道になって、エネルギーも定数のはずなので、どちらも不完全な形状。数値解析というものの難しさを感じるところよ。