らんだむな記憶

blogというものを体験してみようか!的なー

圏論(36)

圏論(35)と続 opposite category - らんだむな記憶 から 5 年半。内容はすっかり忘れてしまった。Gelfand duality の記述ののために逆圏を理解したかったのがモチベーションのすべてだったのでそこで満足してやめてしまった。量子コンピュータについて調べている時に気づいたが、どうやら最近は「圏論量子力学」という本が出ているらしい。従来 Hilbert 空間の上で議論が展開されていたが、この本の方向性ではテンソル積の構造をもったモノイダル圏が舞台になるらしい。

などを見てもちょっと思った感じと違うしハードルが高そう・・・。

これはそれっぽいけど・・・ハードルの高さが凄い・・・。

こういうのも目がチカチカするなぁ・・・。

というわけで、圏論(1) - らんだむな記憶 からやり直したいなという思いで最近少し Awodey 本(レクチャーノートなので第一版相当に見える)を読み返している。モノイダル圏の話は含めておらず、Mac Lane 本に譲るようなことが書いてあるが第二版の記述では追加したとあるので、必要なら考えなくてはならないようだ。たぶんそこまでいかないが・・・。Applicative functor なども見つからないが、Haskell の世界の概念かもしれない。

前回飽きてから暫くして

という Tom Leinster による論文が出て、これが書籍として出版されたものも入門書としてなかなか評判が良いようだ。冒頭を見ると分かるが、明らかにテンソル積の一意性に関わる証明を抜き出した補題が見られる。つまり、普遍性を軸としたアプローチのようだ。Awodey 本と違ってすぐに自然変換が出てくるのも良い。が、わりとページ数が少ないせいか、少し内容は少なめなのかもしれない。和訳版 ベーシック圏論 - 丸善出版 理工・医学・人文社会科学の専門書出版社 は目次は同じなのに何故かページ数が 100 ページくらい多い。何故だろう?Exercise の解答が用意されているのかもしれない。

This book is intentionally short. Even some topics that are included in most introductions to category theory are omitted here.

と書いてあるので結局次の本に行かないとならないらしい。最初に Saunders Mac Lane の本が提示されるのはつらい。2 冊目は Awodey 本だ。

色々思うところはあるが、この辺りの本がやはり適当なように見えるので、Awodey 本を読み返そうと思う。

圏と論理へのいざない・レクチャーノートによると、“4 大入門書 (?)” の最弱のものが Awodey 本ということで気の滅入る世界観であることが分かる。