らんだむな記憶

blogというものを体験してみようか!的なー

Green函数(3)

前回の結果を踏まえると、Green函数は本の式に $u_1$ と $u_2$ を放り込んで計算することで
\begin{equation}
G(x,\xi) =
\begin{cases}
- \frac{1}{2(e - 1/e)} \left(e^\xi - e^{-\xi}\right) \left(e^{x-1} - e^{-(x-1)}\right), &(x \geq \xi) \\
- \frac{1}{2(e - 1/e)} \left(e^x - e^{-x}\right) \left(e^{\xi-1} - e^{-(\xi-1)}\right), &(x \leq \xi)
\end{cases}
\end{equation}

となる。
よって、境界値問題
\begin{equation}
\begin{cases}
L_x u = f, \quad\quad\quad\quad\quad (3) \\
u(0) = u(1) = 0
\end{cases}
\end{equation}

は、
\begin{equation}
u(x) = \int_0^1 G(x,\xi) \,f(\xi) d\xi
\end{equation}

によって解けることになる。
簡単のため、 $f \equiv 1$ の場合にどういう解の具体的な表示が得られるのかを見てみよう。
これは単なる計算なので淡々と計算すると
\begin{align}
&u(x) = \alpha e^x + \beta e^{-x} + 1, \\
&\alpha = \frac{1/e - 1}{e-1/e},\quad \beta = \frac{-e + 1}{e-1/e}
\end{align}

となる。これが実際に境界値問題(3)の解になっていることは代入して1分くらい計算したら明らかである。
“大変単純な計算”だったのかは知らないが任意の $f$ に対して陽的に答えが得られる感触は得た。

惜しむらくはこのGreen函数の作り方はよく分からないことである。或いは10分くらい式を眺めると「境界条件を片方落として得たちょっと不完全な解同士を対称性があるように掛け合わせて定数で調整かけたらいいんじゃね?」という直感をもってすれば、まぁこんな表示のものもとれるかな?と思わないでもないが、愚直に求めるとなるとどうやって得るのだろうな、という疑問は残った。

物理とグリーン関数 (物理数学シリーズ 4)という感じの物理サイドの本などが役に立つのかもしれない。