量子コンピューティング (1)

量子コンピューティング 基本アルゴリズムから量子機械学習まで | Ohmsha のメモ。

なぜ量子コンピュータ？

とても難しい問題を高速に解く

• 計算スピード
  • 必要な計算ステップ数の増加が古典コンピュータに比べて量子コンピュータのほうが緩やかだろう
  • 2050 年頃までに登場するどんなスパコンでさえ現実時間で計算できないような計算タスクも、量子コンピュータなら数分〜数時間で計算できる

ポストムーア時代

• ムーアの法則
• ドメイン指向アーキテクチャ
• 汎用モジュール (CPU etc.) では必要な性能が得られにくい場面での専用チップ利用 = 常套手段
• 量子コンピュータもムーアの法則から完全に逃れられはしないが、社会が求める方向性として 1 つの重要な可能性

量子コンピュータの歴史

• 第一次ブーム
  • ショアの素因数分解アルゴリズム (1994)
  • グローバーの検索アルゴリズム (1996)
  • 誤り訂正符号が H/W に要求する量子ビット数・エラー率が非現実的でブームは次第に下火に
  • 2000 年代に入って状況が緩和
  • 量子アニーリングマシン (2011) で再燃
• 第二次ブーム
  • UCSB が低いゲートエラー率の基本量子ゲートを実現 (2014)
  • Google が研究グループを丸抱えで第二次ブームに
  • 50〜100量子ビットのサイズの小規模な量子コンピュータ NISQ (Noisy Intermediate-Scale Quantum)
  • 究極の目標である誤り耐性量子コンピュータに至る研究開発にはまだ無数の紆余曲折がある状態だが、H/W としての実現可能性が見えてきた NISQ が研究を活性化
• 現在の量子コンピュータ
  • 大規模な誤り耐性量子コンピュータは素因数分解や検索などの問題を現在のどんなコンピュータよりも効率よく計算できることは分かっている
  • 量子コンピュータにとって有利な問題設定であればスパコンを凌駕できそう
  • “量子超越” の実証実験: スパコンでは非現実的な時間がかかるなど事実上計算不可能で量子コンピュータなら可能というタスクが存在し、そのような計算を実現できることを示した (2019, Google)
  • 量子化学計算
    • 多数の電子の量子力学的な振る舞いの計算は古典コンピュータにとっては厄介。量子コンピュータであれば効率よく近似計算できそう。
    • 但し、従来法より高精度という保証はない
  • 機械学習の問題設定は基本的には量子力学とは関係ない
    • 機械学習に出てくる線形代数の計算: 量子力学は持つ線形代数の構造を使えば効率的に計算できそう
    • パラメータ付きの量子回路と NN との類似も指摘されている
    • 但し、従来法よりも量子版の機械学習が優れている保証は不十分

“量子コンピュータ” 一覧

• 誤り耐性量子コンピュータ（実装: 未定）
• NISQ 量子コンピュータ
• 量子シミュレータ
• 量子アニーリングマシン
• イジングマシン

・・・これで「第一章読んだっけ・・・？」って後に思ってもざっと読み返して resume できるはず・・・。「量子版の機械学習」が大当たりするかは今後の動向を見守るということで・・・。