らんだむな記憶

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Galois理論(71)―冪根による可解性(3)

Def

$G$ が可解群であるとは、フィルトレーション $G = G_0 \supset G_1 \supset \cdots \supset G_{r-1} \supset G_r = \{e\}$ を持ち、これが $G_{i-1} \triangleright G_i$ を満たし、 $G_{i-1}/G_i$ がAbel群になる時を言う${}_\square$

(1)$S_3$ は可解群である。
→ $S_3 \supset A_3 \supset \{e\}$ なるフィルトレーションにおいて、 $\#(S_3/A_3) = \# \{e,\overline{(1\ 2)}\} = 2$ より、 $S_3/A_3$ は位数2の巡回群である。また $\#(A_3) = 3$ よりこれも位数3の巡回群である。

(2)$S_4$ は可解群である。
→ $S_4 \supset A_4 \supset K \supset \{e\}$ というフィルトレーションを持つ。
$\#K = 4$ であって、具体的には以下のような部分群である。
$K=\{\text{double transpositions}\} = \{e,(1\ 2)(3\ 4),(1\ 3)(2\ 4),(1\ 4)(2\ 3)\}$

  • $A_4 \triangleleft S_4$, $\#(S_4/A_4) = 2$ であり、巡回群である。
  • $K \triangleleft A_4$, $\#(A_4/K) = 3$ であり、巡回群である。
  • $K \simeq \Z/(2) \times \Z/(2)$: Abel群である。