らんだむな記憶

blogというものを体験してみようか!的なー

Galois理論(46)―正規拡大補足(2)と少し整理

Remark

2次拡大は正規拡大である。
$[L:K] = 2$ とする。 $P(X) = X^2+aX+b$ とする時、 $P$ の根は $\frac{1}{2}(-a \pm \sqrt{a^2 - 4b})$ などのように、片方が $L$ に含まれる場合に他方が共役な根などとして $L$ の中で求まる。

これを使って、飽きたらやめようGalois理論(45)―性質の連鎖と正規拡大補足(1) - らんだむな記憶で触れた $L/K$: 正規拡大, $M/L$: 正規拡大 $\not\Rightarrow$ $M/K$: 正規拡大を見る。
$K=\Q,\ L=\Q(\sqrt{2}),\ M=\Q(\sqrt[4]{2})$ とすると、 $L/K$ と $M/L$ は2次拡大なので正規拡大である。ところが、 $\sqrt[4]{2}$ の $\Q$ 上の最小多項式 $X^4 - 2$ は既に見たように $\Q(\sqrt[4]{2})$ では分解しきれずに $(X-\sqrt[4]{2})(X+\sqrt[4]{2})(X^2+\sqrt{2})$ までしかいかないので、 $M/K$ は正規拡大ではない。

の内容のまとめ:

  • $L$: 体。 $G \subset \mathrm{Aut}(L)$ とする時、 $L^G := \{ x \in L;\ g\cdot x = x,\ \forall g \in G \}$ を固定体と呼ぶ。
  • $L/K$: ガロア(正規かつ分離)拡大。この時、 $L^{\mathrm{Aut}(L/K)} = K$
  • $G \subset \mathrm{Aut}(L)$ が有限群の時、 $L/L^G$: ガロア群であって、 $[L:L^G] = \#G$