らんだむな記憶

blogというものを体験してみようか!的なー

ついで

Lemma

$A$: 環。 $m_1, m_2 \subset A$ を異なる極大イデアルとする。この時、 $m_1$ と $m_2$ は互いに素である。

proof

$ 1 \not\in m_1 + m_2$ とする。ところが、 $m_1 + m_2$ はイデアルであり、 $m_1 \subset m_1 + m_2 \subsetneq A$ であるので、$m_1$ の極大性により $m_1 = m_1 + m_2$ となるが、同様に $m_2 = m_1 + m_2$ となるので、 $m_1 = m_2$ となり矛盾である${}_\blacksquare$

Lemma

$I_1, I_2$ を $A$ の互いに素なイデアルとする。この時、 $I_1 \cap I_2 = I_1 \cdot I_2$ である。
一般に $I_1, \cdots I_k$ を互いに素とする時、 $\bigcap I_k = \prod I_j$ である。

proof

$x \in I_1 \cap I_2$ をとる。 $I_1 + I_2 = A$ であるので、 $i_1 + i_2 = 1,\ i_1 \in I_1, i_2 \in I_2$ をとれる。 $x\cdot i_1 \in I_2 \cdot I_1$ であり、 $x\cdot i_2 \in I_1 \cdot I_2$ であるので、 $x = x\cdot i_1 + x\cdot i_2 \in I_1 \cdot I_2$ である。
逆に、 $y \in I_1 \cdot I_2$ をとる。イデアルの定義により $I_1 \cdot I_2 \subset I_1, I_2$ であるので、 $y \in I_1 \cap I_2$ である

イデアルが3つの場合を見よう。 $I_1, I_2, I_3$ を $A$ の互いに素なイデアルとする時には、 $I_1 \cdot I_2 + I_3 = A$ である。と言うのも $i_1 + i_3 = 1,\ i_2 + i_3^\prime = 1$ とできるので、掛け合わせて $1 = i_1 i_2 + (i_2 i_3 + i_1 i_3^\prime + i_3 i_3^\prime) \in I_1 \cdot I_2 + I_3$ となるので、 $x \in I_1 \cap I_2 \cap I_3$ をとると、$x \in (I_1 \cdot I_2) \cdot I_3$ を得る。一般の $k$ 個の場合にも帰納法より従う${}_\blacksquare$

$A$: 環。 $m_1, \cdots, m_k \subset A$ を異なる極大イデアルとする。この時、 $A/\bigcap m_j = A/\prod m_j \simeq A/m_1 \times \cdots \times A/m_k$ が成立する。

$m_i$ と $m_j$ は互いに素であるので中国の剰余定理より。