らんだむな記憶

blogというものを体験してみようか!的なー

モーメント(2)

統計学入門 (基礎統計学) | 東京大学教養学部統計学教室 | 本 | Amazon.co.jpの第5章 p.102を見ると、またもやモーメントである。
\begin{equation}
E[(X - \mu)^r]
\end{equation}
の形のものを$\mu$の周りの$r$次のモーメントとしている。(http://as.wiley.com/WileyCDA/WileyTitle/productCd-0471317160.htmlでは確率論周辺の演習問題として、p.320に The Moment Convergence Theorem というものが登場する。$E[|X_n|^s] \to E[|X|^s]$の形の収束を保証する定理だ。Chebyshevの不等式を途中で使うみたい。自分では解いてない...)
まぁ、一応確率測度で書き直すと
\begin{equation}
E[(X - \mu)^r] = \int_{\Omega} (X(\omega) - \mu)^r P(d \omega) = \int_{-\infty}^\infty (t - \mu)^r P^X(dt) = \int_{-\infty}^\infty (t - \mu)^r f(t) dt
\end{equation}

となるので、あぁモーメントだなぁと思うことにしたい。ここで$f$は確率法則$P^X$の密度函数としている。$X$が確率分布$f$を持つ、と言っても良い。
$\nu$が密度函数$g$を持つというのは、$\nu(B) = \int_B g(t) dt$ということなので、$P(X \in B) = \int_B f(t) dt$より、$X$が分布$f$を持つということは、$P^X$が密度函数$f$を持つということと同値ということである。

あるデータの母集団の母分散の推定のために、モーメント法とかいうのを使うと
\begin{equation}
S^2 := \frac{1}{n} \sum_{j=1}^n (X_j - \overline{X})^2
\end{equation}

が推定量として出てくるようだ。けれども、この推定量の期待値を求めると、実際の母分散$\sigma$に対しては
$$E[S^2] = \frac{n-1}{n} \sigma^2$$

となって、"不偏性" がない結果となってしまう。ここで不偏性とは、ある推定対象のパラメータ$\theta$に対して、その推定量を$\hat{\theta}$とした場合に、
\begin{equation}
E[\hat{\theta}] = \theta
\end{equation}

が成立すること、らしい。よって、$S^2$は母分散の推定量ではあるが、不偏ではないようなもの、となってしまうようだ。ただ、この辺の細かい計算は同書では省かれているように見えるので、また計算しないとならないな...。(と思ったら、第9章練習問題9.4でやれということだった)