GCPの「料金の履歴」を見ているとシックリこないものがある。
GCPオベンキョ(7) — Deep Learning VM の VM インスタンス作成 - らんだむな記憶の“2日目”に保存した履歴によると
内容 | 金額(JPY) |
---|---|
Compute Engine Nvidia Tesla T4 GPU attached to preemptible VMs running in Americas: 5.5 時間 | 65 |
Compute Engine Preemptible N1 Predefined Instance Core running in Americas: 11.002 時間 | 8 |
Compute Engine Preemptible N1 Predefined Instance Ram running in Americas: 71.518 ギガバイト-時間 | 7 |
となっていて、何で GPU の時間と GCE の時間が違うんだ??という疑問が湧いた。
firebase - Google Cloud Platform - one test app - $90/month cost - why? - Stack Overflowを読んで暫く考えた感じでは、CPU 1 コアに換算して何時間リソースを使ったか?ということのようだ。GPU は 1 基なので、こちらは真にインスタンスの稼働時間に近く、5.5 時間である。一方マシンタイプは n1-highmem-2
で運用していたので 2 vCPU なので、vCPU 1 コアで換算すると倍の 11 時間となる。n1-highmem-2
は 1 時間あたり GCE Instance Cost: USD 0.02
であるので、5.5 時間運用すると、円ドル換算をレート 108.135 とすると、0.02 * 108.135 * 5.5 = 11.89485 となる。ピッタリは一致しないが、上記の場合、8 + 7 = 15 で近い値になっている。(たぶん切り上げられている)
n1-highmem-2
の RAM は 13 GB なので、5.5 時間使うと 13 * 5.5 = 71.5 でこれも数値的に辻褄が合う。
逆に、ここから VM インスタンス使用時間は 5.5 時間というよりは、71.518 / 13 = 5.501 時間くらいであることがわかる。これを 2 倍にすると 11.002 になるので Instance Core running の表示の通りである。
“4日目”に保存した履歴によると
内容 | 金額(JPY) |
---|---|
Compute Engine Nvidia Tesla T4 GPU attached to preemptible VMs running in Americas: 11.698 時間 | 139 |
Compute Engine Preemptible N1 Predefined Instance Core running in Americas: 33.568 時間 | 24 |
Compute Engine Preemptible N1 Predefined Instance Ram running in Americas: 218.204 ギガバイト-時間 | 21 |
になっているが、これは 3 日目にマシンタイプを n1-highmem-4
にしたので 4 vCPU にしたことに起因すると思われる。この場合、平均して 3 vCPU なので、11.698 * 3 = 35.094 なので大体近い。RAM も平均して 19.5 GB なので、19.5 * 11.698 = 228.111 で概ね同じ値である。この感じから、n1-highmem-2
と n1-highmem-4
での運用時間はほぼ等しいので、大雑把に 11.698 の半分である 5.849 時間をそれぞれで運用したとすると、VM インスタンスの費用は (0.02 * 5.849 + 0.05 * 5.849) * 108.135 = 44.273 円であり、実際の請求額 24 + 21 = 45 円と比較すると符合する。
And yes GCP billing statements are somewhat confusing.
とリンク先には記載があるが、確かにちょっと分かりにくく不安になる気がした。
4/14 に運用を開始して、4/19 までの 6 日間で実際に動かしたのは 4 日間であった。最初は 1 週間につき 5 日くらい触るだろうという見積もりにしているが、どちらでも月に 21〜22 日触ることになる。4 日間で 11.698 時間 触ったので、やはり 1 日に平均して 3 時間程度であろうか。いまのマシン構成のままであれば「USD 0.16 per 1 month」であるので、0.16 * 108.135 * 3 * 22 = 1142 円あたりとなろう。永続ディスクについては 100 GB で運用しているので、Disks and images pricing | Compute Engine Documentation | Google Cloudより $0.040 per GB / month がかかる。よって、0.04 * 108.135 * 100 = 433 円くらいになる。All pricing | Compute Engine Documentation | Google Cloudから、us-west1
の「External IP address pricing」としては 2020/4/1 以降は preemptible VM instances で $0.002 per hour なので、0.002 * 108.135 * 3 * 22 = 14 円くらいが追加されると思われる。よって、1142 + 433 + 14 = 1589 円くらいが恐らくは当面の月々の請求額となろう。(永続ディスクを省けば 1142 + 14 = 1156 円)
フリートライアルで得たクレジットが¥32,565 であったので、32565 / 1589 = 20.49 ヶ月くらいはクレジットで粘れるのかもしれない。
Colab Proの費用を仮に日本リリース時も同額とすると 9.99 * 108.135 = 1080 円といったところで、上記の構成で永続ディスクなしの費用とほぼ同等の額になる。現在の Tesla T4
+ n1-highmem-4
の構成は Colab Pro のスペックと同様であるので、自分の運用スタイルの場合、「Colab Pro 相当の環境 + 100 GB の永続ディスク」(を最初の 20 ヶ月は無料)で運用することになる。