らんだむな記憶

blogというものを体験してみようか!的なー

圏論(10)と isomorphism

[Steve Awodey本]
1.5 Isomorphism

Definition 1.3. 任意の category ${\bf C}$ において、arrow $f: A \to B$ が isomorphism (同型射) であるとは、ある arrow $g: B \to A$ がとれて
\begin{equation}
g \circ f = 1_A \quad \text{and} \quad f \circ g = 1_B
\end{equation}

が成立するときを言う。
arrow の逆はただ1つであるので、$g = f^{-1}$ と書く。$A$ が $B$ に isomorphic ($A \cong B$ と書く) であるとは、それらの間の isomorphism が存在する時を言う。

――― arrow $f: A \to B$ に対して、$g,g^\prime: B \to A$ が $g \circ f = 1_A,\ g^\prime \circ f = 1_A,\ f \circ g = 1_B,\ f \circ g^\prime = 1_B$ を満たすとする。この時、結合則より、
$g = g \circ 1_B = g \circ (f \circ g^\prime) = (g \circ f) \circ g^\prime = 1_A \circ g^\prime = g^\prime$ となるので逆の一意性が従う。 ―――

isomorphism の定義は、重要な概念の抽象的で category 論的な定義の我々にとってはじめての例である。抽象的というのは、objects と arrows についての付加情報を使用するというわけではなく、category 論的な概念のみを用いているという点においてである。

要するに、付加情報として「objects は集合であるとする」とした場合に、群論でよくあるように、「1対1上への写像で群の演算の構造を保持するような写像」が存在する時に同型、というような定義も考えられるが、これだと集合の元という概念が出てきていて category 的な世界観においては制約大きすぎるよね、ということ。先の定義は category の定義に登場した概念のみで定められた isomorphism の定義になっている。

この下に重要なことが続いているがそろそろ眠いのでいまはやめておこう...。