1.6 Construction on categories
さて、作業をするための categories が幾つか手元にある状態になったので、既にある categories から新しい categories を創り出す組み立ての手順について考えことができるようになった。
1. 2つの categories $\mathbf{C}$ と $\mathbf{D}$ の積は、
\begin{equation}
\mathbf{C} \times \mathbf{D}
\end{equation}
と書かれる。
――― あとは単なる(群などの)直積の同じなので割愛 ―――
2. category $\mathbf{C}$ のopposite(或は ``dual'') category $\mathbf{C}^\mathrm{op}$*1とは、
- objects: $\mathbf{C}$ の objects と同じ*2
- arrows: $f: C \to D \ \text{in}\ \mathbf{C}^\mathrm{op}$ は $f: D \to C \ \text{in}\ \mathbf{C}$ である。*3
つまり、 $\mathbf{C}^\mathrm{op}$ とは単に $\mathbf{C}$ においてすべての arrows を形式的に反転させたものである。
$\mathbf{C}$ における object (resp. arrow) を $\mathbf{C}^\mathrm{op}$ の対応物と区別する記法を導入することは役に立つ。つまり、 $\mathbf{C}$ における $f: C \to D$ を、 $\mathbf{C}^\mathrm{op}$ においては
\begin{equation}
f^*: D^* \to C^*
\end{equation}
と書こう。この記法のもと、 $\mathbf{C}^\mathrm{op}$ における compostion と units を $\mathbf{C}$ における対応する演算の観点で定義しよう。即ち、
\begin{align}
1_{C^*} &= (1_C)^* \\
f^* \circ g^* &= (g \circ f)^*
\end{align}
よって、 $\mathbf{C}$ における図*4は $\mathbf{C}^\mathrm{op}$ においてはこのようになる。*5
数学における多くの ``双対性''定理は 1つの category がもう1つの categoryの反対 (の部分 category) に等しいことを表現している。後ほど証明しようと思っているこの種の例としては、 $\mathbf{Sets}$ が complete で atomic な Boolean 代数の双対に等しいというものである。
――― $*$ -演算はいわゆる involution (対合) であると考えて良いだろう。この辺で当初の目的はほぼ達成。Gelfand duality を記述する用語はこれくらいで網羅できただろうか。ここで止めても良いが、小さい圏や自然変換、米田の補題、モナドといったネタはスキップすることになる。さて、どうしようかね。